KURE 5-56

KURE 5-56（クレ556）について

KURE 5-56は、日本の呉工業が提供する浸透潤滑剤であり、その商品シリーズの一環です。元々はアメリカのCRCインダストリーによって開発された「CRC 5-56」を基に、日本市場向けに展開されました。そして、1962年に日本国内での販売がスタートしました。

特徴と用途

KURE 5-56は、金属表面に薄い膜を形成することで、潤滑効果と防錆効果を発揮します。特に、固着したネジや機械部品の微細な隙間へ浸透し、古い油脂を溶かして取り除く働きがあります。しかし、有機溶剤の比率が高く、蒸発後の残留分が少ないため、持続的な潤滑効果には限界があります。この特性は、きしみ音の原因を特定する際に役立つことあります。

KURE 5-56は無香性の商品も用意されており、室内や自動車内での使用にも配慮されています。さらに、ゴムやプラスチック素材にも利用できるため、幅広い用途に対応可能です。しかし、耐久性のあるグリースが必要とされる部位には不向きで、一部の機械部品に対しては慎重に使用する必要があります。

特に、玄関の鍵穴など複雑な構造を持つ部分への使用は、潤滑剤がホコリを引き寄せる可能性があり、その結果、鍵が動作不良を起こすことがあります。また、ミシンやオートバイのチェーンにはあまり適していないことも留意すべき点です。これはKURE工業も認識しており、それぞれの用途に対して適切な製品を提供しています。

名前の由来

KURE 5-56の名称は、CRC社の設立当初の所在地を基にしています。具体的には最初に開発された製品が1-16、2番目が2-26という名前でつけられ、5番目の製品として5-56と名付けられました。現在は、CRC社の「Power Lube Multi-Purpose Lubricant」という名称でも販売されています。

商品ラインナップ

KURE 5-56は様々なサイズとタイプで提供されています。一般的な5-56は、70 mlから420 mlのスプレー缶と業務用の大容量缶（3.785 Lから208.175 L）でも利用できます。また、無香性タイプもあり、こちらはゴムやプラスチックにも適用されるので、多用途で安心して使用することができます。対して、スーパー5-56はPTFEを使用し、特殊な添加剤が配合されており、より高い性能を発揮します。
また、5-56DXは浸透及び拡散性能が向上しており、より効果的に使用できます。

プロモーション活動

KURE 5-56はテレビCMなどのプロモーションでも活躍しています。特に映画に関連したコラボレーションCMでは、泉谷しげる氏が魅力的なキャラクターに扮して製品を紹介し、これにより多くの人々に製品の認知度を高めてきました。特に近年では寺田心氏を新たなCMキャラクターとして起用し、様々な映画と連動した商品展開を行っています。

注意点

KURE 5-56はその特性から、適切に使用しないと逆効果を生む場合があります。特に石油系溶剤を含むため、プラスチックや塗装面に対しては慎重に取り扱う必要があります。無香性タイプを選ぶことで、室内での使用に対する配慮がなされていますが、その他のタイプではゴムや樹脂などに影響を与えることもあるため、事前に確認が不可欠です。

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